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先週末のコンサートは僕にとって非常に大切なものになりました。
あの、バッハカンタータ全集を録音した世界的音楽家トン・コープマンの指揮でバッハのカンタータのソロを歌うという素晴らしい機会をいただいたのです!

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芸大のバッハカンタータクラブに在籍していた7年間、来る日も来る日もカンタータと向き合う日々でしたが、そんな中で特に参考にしていたのはトン・コープマンかバッハ・コレギウム・ジャパンのどちらかの録音でした。
そういうわけで、トン・コープマンの音楽はCDを通してもはや血肉になっている状態です。
また、3年前のライプツィヒでコープマンが指揮するバッハのカンタータの演奏を生で聴き、その信じられないぐらい生き生きとした音楽に圧倒的な感動を覚えたのを今でも覚えています。

そんなコープマンの指揮でまさかソロを歌える日が来るとは!

今回の演奏会はマインツのバロック・ヴォカールというプロジェクトの一環で、各パート3人ずつ計12人のアンサンブルで合唱と、ソロを分担して歌いました。一緒に演奏したメンバーも非常にレベルが高く、一緒に歌っているだけで、そしてまた練習の合間に交わす情報交換を通じても、非常に大きな刺激をもらうことができました。

トン・コープマンの音楽稽古は音楽作りに対する厳しさと、ストレスのない練習運営のバランスがとても優れていて、こういうところも大指揮者の能力を感じさせます。
解釈の組み立て方、装飾音の入れ方(彼は入れられるところは全て入れさせます)、レチタティーヴォの通奏低音の切り方等、細かいところを上げればきりがないほど多くのことを学ばせていただきましたが、なにより印象的だったのはやはり、彼の人柄と温かいオーラがそのまま包容力と高揚感に満ちた音楽につながっているのだなあ、ということです。いうなれば全身音楽です。そのことにいいしれぬ感動を覚えました。

いつかまた共演する日が来ることを願って、またそれを目標にして、頑張っていきたいと思います。

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