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更新が滞っていた一か月半の間にありがたいことにたくさんの演奏機会がありました。
ほとんど毎週末新しい曲目での本番があり、嬉しいことながら少し追い詰められながら過ごしていた日々でした。

4月22日日曜日
オペラガラ・コンサート in Gartenreich Wörlitz

ザクセン地方のヴェルリッツという町にはあまり知られていませんが庭園王国という世界遺産があります。
(素晴らしく美しい場所で、入場料もなく一日のんびりと散策して過ごせるのでとってもおすすめです)
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その庭園の一角にある小さな劇場でオペラガラコンサートに出演しました。

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ベルリン・ドイツ・オペラで長年指揮をされているケヴィン・マカッチェンさんのオペラを知り尽くした素晴らしいピアノに支えられて、ボエームの二重唱やセビリアの理髪師のアリア「私は町の何でも屋」などを歌わせていただきました。

新聞に批評が載っています。
https://www.mz-web.de/landkreis-wittenberg/eichenkranz-musikfest-produktion-aus-mallorca-ist-vor-allem-heiter-30065198

「トオル・イグチは豊かな声だけでなくコメディアンとしての才能でも輝きをみせた」
とあります。大きな写真も載っているのでよかったら見てみてください。

4月29日日曜日
モーツァルト&サリエリ in Burg Schaubeck

次の週にはシュトゥットガルト近郊のシラーが生まれた町、Marbach am Neckerで、シャウベック城というお城を中心とした室内楽フェスティヴァルに出演しました。
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僕が構成した「モーツァルト&サリエリ」の再演です。

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このコンサートは4回目の公演になりますが、実はこのプログラムは毎回出演者や演奏場所などの変化に合わせて毎回作り直しています。今回の演奏会では、全く初めて歌うアリアが二曲あり、また自分でドイツ語のMCも担当したので大変な苦労でした。
プログラムを作った過去の自分を呪いました。
お客さんとの距離が近い演奏会だったので、楽しんで聴いてくださる皆さんの反応に苦労が報われた思いがしました。

この次の週にはミュンヘンでオペラの稽古が始まったり、週末には久しぶりに教会合唱団の指揮のお仕事があり緊張する日々が続きました。

5月20日日曜日
モーツァルト&サリエリ in Gartenreich Wörlitz
少し前の日曜日には再び世界遺産の中で歌う機会をいただきました。
ヴェルリッツの皆さんに前回のオペラ・ガラコンサートが気に入っていただけたのか、前回を上回る満員売り切れの会場に胸があつくなりました。
今回は歌手4人による豪華版の「モーツァルト&サリエリ」でした。直前に出演者の変更があり、プログラムの手直しなどが必要となりましたが、その甲斐あって今までの公演の中でも一、二を争う良いものになったような気がします。

新聞批評

僕が昨年の初演時に書いた文章が引用されていて嬉しくなりました。

5月26日土曜日
スペイン・バロック in Augsburg, Goldener Saal

そして最も苦労させられたのが先週末の演奏会「スペインのバロック音楽」です。
正直に言うと、僕は特にスペインのバロック音楽の専門家というわけではありません。
それどころか今までこのジャンルに触れたことはいっさいありませんでした。
スペイン語もごく初歩の文法をかじった程度です。
そんな状態でしたが、一年ほど前に依頼を受け、この演奏会の曲目を僕が決定することになりました。
まったくのゼロに近い状態から、情報を集め、数えきれないほどの楽譜を収集し、コンセプトやバランスなどを考慮して一つのプログラムを構成するのは簡単ではありませんでしたが、それだけにやりがいのある素晴らしい日々でした。

今回の演奏会はアウグスブルクの最も有名な観光地であろう「黄金の間」で行われました。
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視覚的にもバロック音楽にぴったりの場所だったのですが、音響的にも非常に歌いやすく、この場所で歌うことが出来たのは大きな喜びでした。
また、共演者にも恵まれました。バロック音楽の世界の第一線で活躍されているガンバ奏者のヤコブ・ラッティンガー、リュート奏者のトルステン・ブライヒ、元ウィーン国立歌劇場専属でバイロイト音楽祭に出演されているソプラノ歌手のアレクサンドラ・シュタイナーなど、信じられないぐらいの豪華メンバーに囲まれ、幸せ度がさらに増しました。また、そんなメンバーのなかで確かにやっていけている自分の成長に大きな自信を感じた時間でもありました。


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